【アウトブレイク -感染拡大ー】 新型コロナについて教えてくれるドラマ

 この夏、「アウトブレイク ー感染拡大ー」というドラマを観ていました。

(2019年制作です。)

「新型コロナウイルスの人への感染が、カナダで発生した」という設定。

実際のCOVID-19の拡大と類似した展開が、話題になっています。

 今回は、このドラマについて、書いていこうと思います。

(大事なネタバレは無し。)

 

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              (original photo: mari9386)

 

 

登場人物のリアルさ

「未知のウイルスの感染拡大を、どう抑えるのか!」というのがドラマの主題になっています。

それと同時に、「登場人物がどうなってしまうのか?」が見どころ。

というのも、各キャラクターが、実在しそうなぐらいリアルに描かれているので、気になってしまうのです。

まず、それぞれの個性や環境が、丁寧に設定されていて…

そして誰も、完璧な人物としては、描かれていません。

主人公の所長でさえ、嫌な気持ちを顔に出したり、イヤミを言ってしまうことも…

そして、各登場人物が、「個人的な感情を、仕事に反映させるかどうか」も問われているので、展開が安易に予想できず、引き込まれてしまいます。

 

狭い範囲で描いている意味

ウイルスの感染源、拡大、それに伴う問題、そして解決が、限られた人間関係の中で起こります。

これほど凝縮されていると、違和感を持ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

いくら、1カ所の大都市が主な舞台になっていて、そこで「これらすべてのことが起こっている」設定だとしても…

 

でも私は、それが全く気にならなかったのです。

むしろ、ウイルスの影響を、他人事ではなく感じました。

感染を広めるのも、その被害に遭うのも、対策に翻弄する人たちも、どこかで接点がある…

このことを、分かりやすく見せてくれたと。

(リアルに描かれた)登場人物には、それぞれの家族や友人がいて、それに伴う行動があり、ウイルスは広がっていく、ということが自然に伝わってきます。

見えていないところで、皆それぞれの選択をしていて、それは身近な人であっても、分からないことなのだと示唆しているかのようです。

 

有益な情報と、気になった衛生上の細かい点

帰宅時の手洗いの重要性などは、感染症専門医の日常の行動として、見せています。

一般人のマスク着用も、当たり前の光景として描かれていたり…

これは今では普通のことなのですが、(COVID-19が問題になっていなかった)撮影時には、ありえないような状況だったはず。

さらに、病院側に求められるリアルな対策は、医療関係の方にとっては、実際の現場の想定に役立ったと思われます。

 ドラマの放映が、今年の1月から3月で、とても他人事とは思えない時期でしたし。

(COVID-19は、2月にはすでに数か国で感染拡大が起こっていたという状況…)

 

特に、「トイレ後の手洗い」の重要性を取り上げていることには、とても意味があると思います。

「マスクの着用」と同じぐらい、この「トイレ後の手洗い」が重要だと考えていますから。

現実では、COVID-19のクラスター発生に、実はもっとトイレが関係しているのではないかと危惧してもいます。

(自粛後の学校再開時、子供に特に伝えたのは、外でのトイレの使い方でした。)

不特定多数が使用するトイレでは特に、石鹸での手洗いと消毒が大切ですね。

自分がかからないためにも、感染を広げないためにも、有効な手段として。

ドラマ内では、(咳などの症状は無く)下痢の症状がある陽性者が、手洗いを行わずに感染を広げた、となっています。

実際は、お腹に症状が出ていなくても、ウイルスを排出している可能性はありますし、人がトイレ内に付着させたウイルスを運ぶこともあるので、もっと注意が必要かなとは感じました。

 

あと、感染症専門医の自宅では、玄関で靴を脱ぐ習慣があるのですが、それが完璧ではなくて、ひやひやしました。

靴を脱ぐ場所に仕切りがなく、すぐ横に素足で触れるので、土足エリアと室内エリアが完全には分かれていないのです。😰

 

もう1つ気になったのは、マスクを触る際に、まったく躊躇しないところ。

一般人が売買する時には、高性能の医療用マスクをべたべた触っているし、それによって問題が起こるという展開もないのです。

また、医療従事者に関しても、「マスクを装着する前に手を消毒する」というような描写はありません。

視聴者に、これで良いと教えることになるのではないかと、気になってしまいました。

 

カナダでの感染拡大抑止への影響は?

このように、 幾つかの点で、気になることはありましたが、それでもこのドラマを観るか観ないかでは、新型コロナウイルスへの理解が全く違うと感じています。

このドラマでは、一貫して、治療法の分からない感染症の恐ろしさ、人にうつさないことの重要性、(不安が原因となる)病気以外の恐ろしさ、を扱っていますから。

新型コロナウイルス発生時のシミュレーションのようで、そういう意味でも観て良かったと思っています。

 

こちらの公式HPによると、放映時の視聴率もかなり高かったとのこと。(35.5%!)

www.transformer.co.jp

それなので、カナダでのCOVID-19感染拡大抑止に、何らかの貢献をしたのではないかな?と感じました。

下の統計を参照すると、人口あたりの死者が、アメリカやイギリス、フランス、イタリアよりも、かなり少ないことが分かります。

カナダでは、ほぼ半数以下ですから。

 (感染者数は、検査数によって左右されるので、死者数を参照しました。また、対策が全く違う国との比較も、必要ないかと…)

 

web.sapmed.ac.jp

もちろん、国内での喫煙率の低さや、その他の要因にもよるとは思いますが…

もともと、「健康に対する意識が高いので、ドラマの視聴率が高かった」という可能性もありますし。

 

 こちらのページで、所長役の方が、カナダでのCOVID-19感染拡大について、お話しされていることがあります。

(ドラマを観ていない方は、まだ見ないでください!  )

eiga.com

 

「適切な行動を取れない人がいる」ということなのですが、それは、カナダに限ったことではないかと。

 

民主主義国で、これほど感染を抑えている背景には、新型コロナウイルスに対する知識を持った人たちの割合が多いことも、関係しているのかもしれません。

(実際に、カナダで今年前半を過ごされた方のお話を聞いてみたいです。)

 

ドラマ内の癒し

そういう訳で、深刻な内容のドラマなのですが、その中でもほっこりするのが、かわいい登場人物の存在です。

 

特に、ほとんどの回で登場する、グザヴィエくんという少年がかわいらしい。

 目つきや、ちょっとした仕草なども、生き生きとしていて子供らしく、愛らしいのです。😊

 演じているのは、こちらの Laurent Lemaire (ローラン・ルメア)くん。

rivetferole.com

(3歳の2015年からお仕事しているみたいです。)

 

それから、ウイルスの感染源として、最初から明らかにされているフェレット。

常に脱走する危険があり、感染を広げるんじゃないかと、ひやひやさせる展開になっています。

そんなフェレットのかわいらしさも、魅力でした。🥰

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                       (original photo: barbos2514)

専門の獣医に診せていないという設定のフェレットが、あんなにおとなしく、人に懐くのかどうかは、疑問でしたが!

 

ラストについて(注意:ネタバレになってしまうかも)

自分本位の行動をした登場人物の中には、報いをうけてしまう人もいます。

後悔の念にかられている人物も、その中には含まれていたので、つらかったです。

逆に、ウイルス蔓延時に私情に惑わされず、的確な行動をした人は報われて、ほっこり。

これは視聴者にとって、納得の締めになっていると感じました。

 

シーズン2に期待!

公式HPの「イントロダクション&ストーリー」に書かれている通り、シーズン2の制作が正式に決まっています。

どのような内容なのか、気になるところです。

 

シーズン1で、取り上げきれなかった内容になるのでは、と期待しています。

ドラマ内での新型コロナウイルスは、「1度感染したら、もうかからないらしい」とされていましたが、そうではない場合の展開とか。

感染者の、後遺症の問題とか。

これらは、現実のCOVID-19の、さらに恐ろしい点なんですけど…

とにかく、感染症への理解が、一層深まるような内容になると思います。

グザヴィエくんも、引き続き登場してもらえるとうれしいです。

 

実は、シーズン1で気になったことがあります。

性感染症についての言及があったのに、それは大したことでは無いように扱われてしまったこと。

感染しないか心配だと話した男性医師が、女性医師に鼻であしらわれ、その後、この件について持ち出したことを謝りさえする、という奇妙な展開になっていました。

(これも、リアルさを追求していると言っていいのかもしれないのですが…)

この点については、シーズン2で何らかの軌道修正があってほしいです。

 

このドラマを、おすすめできない場合もあります

いろいろな意味で、観て良かったと感じているドラマなので、今回書かせていただきました。

でも、すべての人にとって良いかというと、そうではありません。

まず、子供向けではないのです。

(Amazonプライムでは、NR《レーティングなし》となっています。)

私としては、10歳以下の子供に見せることには抵抗があります。

不倫や性感染症について知るには、まだ早いと思いますし。

(未来に希望が持てなくなりそう…😟)

また、亡くなった患者さんの様子がリアルに再現されているので、ドラマだと分かってはいても、強い恐怖を与えてしまう可能性があります。

あまりにも悲惨なので、子供の記憶に長く残り、思い出して怖くなってしまうのではないかと。

11歳以上ならば良いかというと、そういう訳でもなく、それぞれの精神年齢や「感じやすさ」によると思うので、周りの大人の配慮が必要です。

 

また、COVID-19で身近な人が大変な目にあった方にも、おすすめできないと思います。

 

それ以外の方々で、ご興味のある方は、たくさんのサイトで公開されているので、簡単に視聴することができます。

上の公式ページに、「配信サイト」一覧があるので、ご参考にしてください。

 (それ以外のページは、ドラマよりも先に見ないことをおすすめします!